プレファクト株式会社

山形の美味しい食と家族時間でエナジーチャージ。
山形発のものづくりに全力投球!
プレファクト株式会社(東根市)

プレファクト株式会社は、享保(江戸期)から続く鍛冶・金物屋にルーツを持ち、鋼を「削る・硬くする・研磨する」という鍛冶屋職人の伝統技術を活かして、加工するのが難しいといわれる、細くて長いモノを高精度に製作しています。結婚を機に広島から山形にIターンした安永智也さんに、山形での暮らしについてお聞きしました。

安永智也さんのプロフィール

日本大学 経済学部に入学

広告代理店に入社。営業として勤務

広島市で発生した土砂災害の支援ボランティアとして活動

広島と茨城のNPOのスタッフとして復興支援にあたる

結婚を機に山形へ

プレファクト株式会社に入社
1985年生まれ。
広島県出身。
日本大学経済学部を卒業後、当初広告代理店の営業として勤務していたが、2014年に発生した広島市豪雨土砂災害で祖母の家が被災したことから帰郷。
災害支援ボランティアとして活動する。その際NPOから声がかかり、1年間復興支援にあたる。翌2015年に発生した茨城県の水害の復興支援のため、茨城のNPOへ。
その後結婚を機に山形へ移住し、プレファクト株式会社に入社。営業開発を担当している。

Iターンのきっかけを教えてください。

大学で上京し、卒業後広告代理店の営業として勤務していたのですが、2014年に私の地元広島市で豪雨土砂災害が発生し、祖母の家が被災しました。なんとか力になれないかと、帰郷することを決意し、災害支援ボランティアとして活動していました。その後NPOの職員にならないかと声をかけていただき、広島と、翌年水害が発生した茨城で復興支援にあたっていましたが、そこで妻と出会い、2016年に結婚しました。妻はすでに山形で仕事をしていて生活の基盤ができていたので、二人で話し合い、そのままの暮らしが継続できるよう、山形へのIターンを決めました。

現在の仕事内容を教えてください。

当社は、鉄に熱を加えて、まっすぐな鉄製品を作ることを得意としています。鉄は熱を加えると曲がりやすい性質を持っていますので、まっすぐな製品を作るということは技術が必要なのです。私はこれまでものづくりに携わったことはありませんでしたが、その技術に興味を覚え、入社を希望しました。
0.001ミリ単位で鉄を真っ直ぐにするという、当社が持つ技術はあまり類がなく、自動運転自動車、電気自動車、スマホ、パソコン、テレビなど半導体に関わるものに幅広く取り入れられていて、関東、関西、九州など全国各地のクライアントと取引しています。出張が多い仕事で、最近では海外に工場を建設する動きも盛んなので、忙しいですね。
私は、営業として全国のクライアントのところへ足を運び、商品についての聞き取りをしたり、部品の管理や受注量の調整を行っています。予算があって、販売計画を立て、プロジェクトを進めていく。こうした一連の流れは広告代理店の時と同じなので、経験を活かしながら仕事にあたっています。

問題解決力が高く、頼りになる安永さん。同僚は「まさに、営業をするために生まれてきた人だと思う。」と口をそろえる。
問題解決力が高く、頼りになる安永さん。同僚は「まさに、営業をするために生まれてきた人だと思う。」と口をそろえる。
0.001ミリ単位で鉄を真っ直ぐにする技術を持つ。
0.001ミリ単位で鉄を真っ直ぐにする技術を持つ。
      

 

山形で暮らしてよかったと思う点は?

まず、東京と比べて人が温かいというのが大きいですね。1人1人を大切にしよう、という気持ちが本当に温かく感じられます。
冬は雪かきなど少し大変だと思うこともありますが、その分、日帰りでスノーボードに行けることは嬉しいです。また仙台も近いので、休日に気軽に遊びに行けますので不自由もないです。あとは食べ物がおいしいことですね。フルーツなど、旬のいただきものも多くて、ありがたいです。

この会社に入ってよかったと思うことは?

東京では毎日終電間際まで仕事をし、プライベートを充実させることは難しい状況でしたが、今は会社が、仕事と家庭の両立をサポートしてくれるので、家族と過ごす時間も多く持つことができています。また、消防団など地域活動への理解もあり、仕事との調整をしやすいのもありがたいですね。
これまで携わったことがないものづくり分野での営業ですが、先輩、社長からのアドバイス、そしてお客様からいただく課題など、日々たくさんのことを学ばせてもらっています。当社のような技術を持つ会社は少ないので、お客様から重宝されているという実感もあり、やりがいにつながっています。

印象に残っているエピソードはありますか?

最近は海外での工場建設や、工場の設備更新を行うクライアントが多く、昨年、受注が集中し、通常2週間の納期が1年ほどかかってしまうという事態が起こりました。できるだけ納期を早められるよう、商品製造に必要な材料を事前に手配するなど対策を講じたのですが、材料をストックしておくスペースが当社だけでは足りず、仕入れ先にも協力をしていただきました。どうしたらお客様に迷惑がかからないか、安定供給のために何をしたらよいのかを考え、実践したことはとても良い経験になりました。
常に社長から言われていた「後手にまわってしまうと状況に左右され、自由に動けなくなる。二手、三手先を考えろ。」という言葉の大切さを痛感した出来事でした。

影響を受けた人は?

「営業は、お客様に驚かされるな。」と指導してくれた、広告代理店時代の営業の先輩です。営業は、自分が知らないことをお客様に先に言われて、驚かされるようなことがあってはいけない、という意味です。常日頃からお客様とコミュニケーションをとって、お客様の状況や、お客様に関する情報収集をしっかりと行う。そうすれば、お客様から言われる前に、お客様が悩んでいることに気づくことができる、というものです。今でもその言葉を忘れずに、仕事に取り組むよう努力しています。

今後の目標を教えてください。

なんといっても、私は営業という職業が好きです。問題解決するために、プロジェクトを立ち上げ、その舵取りをすることが好きなのでしょうね。リーマンショック後、ものづくりの考え方も変化したようで、今は「在庫を置かない」スタイルが大半を占めています。そのため、発注後すぐ納品してほしい、という声が多くなっています。そうした要望に応えられるよう、もっと工夫をしていきたいですね。
また、災害支援をしていて感じたことですが、どうしても社会的弱者は取り残されがちになります。これから少子高齢化の波は、日本だけでなく、世界へも広がっていくでしょう。そのモデルケースにもなっている日本で、介護ロボットや、人手不足を解消するための自動化システムなど、社会問題の解決につながる製品の開発にも携わりたいと思っています。お客様との信頼関係を大切にし、情報収集をしっかりと行い、世界情勢にもしっかり対応していきたいと思います。

安永さん

山形へU・Iターンを考えている方へメッセージをお願いします。

自分が働く場所は、都心か、地方かと悩んでいる方も多いと思いますが、地方は1人1人を大切にしてくれますし、人があふれている都心にはない地方ならではの暮らしやすさがあります。今は、グローバル化が進んでいて、都心だけでなく世界も近くなっています。こうしたことからも、必ずしも都心で暮らす必要はないのではないでしょうか。食べ物はおいしいし、満員電車や終電を気にすることもない。私は山形へのIターン、Uターンをおすすめします。

まっすぐな瞳と、笑顔が印象的な安永さん。垣根なくフラットな目線で何事にも取り組む姿に、山形発ものづくりの明るい未来を期待せずにはいられません。

(2018/12/10取材)


プレファクト株式会社

プレファクト株式会社
プレファクト株式会社は、享保(江戸期)から続く鍛冶・金物屋にルーツを持ち、鋼を「削る・硬くする・研磨する」という鍛冶屋職人の伝統技術を活かして、直線運動軸受、特注ガイドレール、XYステージ、直動関連品、研削品の製造など、加工するのが難しいといわれる、細くて長いモノを高精度に製作しています。

会社名 プレファクト株式会社
代表者:白田 良晴
創立: 2006年
従業員数:30名
事業内容:直線運動軸受、特注ガイドレール、XYステージ、直動関連品、研削品の製造
所在地:〒999-3727 山形県東根市野川2552
TEL:0237-41-4730(代表)
FAX:0237-41-4733
URL:http://www.prefact.co.jp

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