第31回技能グランプリ上位入賞者が山形県産業労働部次長に入賞を報告しました!

2月19日から22日に、愛知県常滑市を主会場に第31回技能グランプリが開催され、本県の齋藤美英選手(㈲ラルゴ)が、フラワー装飾職種で見事銀賞を受賞しました。

3月22日に、齋藤選手と山形県職業能力開発協会の皆さんが、県庁を訪れ、安孫子産業労働部次長に入賞の報告を行いました。

安孫子産業労働部次長は、「前回大会での銅賞を上回る入賞は日頃の練習の成果が実を結んだもの」と健闘をたたえました。
※ 写真は入賞報告の様子と、大会当日の様子です。

 

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株式会社山本製作所

植松 和也さん

籾摺機もみすりきを設計・開発。
農家にとって
「あったらいいな」をカタチに。
株式会社山本製作所(天童市)

2018年に100周年を迎えた株式会社山本製作所は、米どころ山形で農業関連機器メーカーとして成長してきました。
根底にあるのは、「人々の生命維持に欠かすことのできない食糧生産と環境保全に”ものづくり”で貢献していこう」という想い。その想いを果たすため、山本製作所では伝統の中に裏付けされた技術力で、時代のニーズに沿った製品開発に力を注いでいます。

植松 和也さん

プロフィール
植松 和也 さん
1986年生まれ。
山形県東根市出身。
東北職業能力開発大学校生産機械システム技術科卒業。
県内の自動車部品関連企業に勤めた後、2014年に株式会社山本製作所へ入社。
農機事業部 技術部 農機グループに所属。

入社の動機、きっかけは?

大学校卒業後、すぐに自動車関連の部品を製造する会社に就職しましたが、「いつかは大学校で学んだ三次元モデリングの知識を活かせる仕事がしたい」という思いがありました。そんな時に山本製作所の企業説明会があり、参加したことが入社のきっかけです。地元企業で昔から存在を知っていたのも志望した理由のひとつでした。

具体的な仕事内容を教えてください。

技術部 農機グループに所属し、チームで籾摺機(もみすりき)の開発を行っています。
主に私が担当しているのはRX-6000という新機種の構造設計です。3D-CADでモデリングしながら設計し、工場で部品を作って組み立て、試験を重ねながら製品化するまでのプロセス全般に関わっています。

株式会社山本製作所
モデリングしながら、立体的に部品を形作っていきます

RX-6000は、かつて製造していた籾摺機のリニューアルマシンとして開発し、2016年に販売されたもの。省電力で高性能な籾摺機で、当社でも力を入れている商品です。
籾摺機の役目として最も重要なポイントは、籾殻と玄米がしっかり分かれているかどうかということ。玄米の中に籾が混入していると一等米として評価されないなど、「等級」に影響が出てしまいます。そうなれば、農家の方の減収につながりかねません。
当社の籾摺機は籾同士が重ならず、一粒一粒しっかりと籾摺作業ができるように「傾斜ロール」を採用し、脱ぷ率を高めている点が大きな特徴です。また、農機具は環境の良くない場所で稼働させるので、メンテナンス性や使い勝手の良さも考慮しながら設計しています。

株式会社山本製作所
耐久性や回数を調べる試験を行い、数値を記録しながら性能を確認していきます
株式会社山本製作所
新型籾摺機(RX-6000)

職場の雰囲気はどうですか?

私の所属する技術部は、農機とソリューションの2つのグループがワンフロアで仕事をしています。他部署の上司や同僚たちからも客観的な意見やアドバイスをもらえるところが良い点です。当社は開発設計から生産、販売までを手がけている開発先行型メーカーですので、各部署の社員と話しながらものづくりができる環境があります。

株式会社山本製作所
チームでのミーティングでは、確かな製品を作るために意見を出し合います

大事にしていること、モットーについて。

常に意識しているのは「できない理由よりもできる方法を考える」ということ。
開発していく過程で、その難しさに投げ出したくなることもありますが、そうしたネガティブな気持ちになったときはこの言葉を自分に言い聞かせながら気持ちを切り替えるようにしています。

この仕事のどこに魅力ややりがいを感じますか?

自分がやりたかった開発・設計の仕事に関われていることにやりがいを感じています。材料の選定や加工の仕方、部品の組み立てなど、まだまだ学ぶことはたくさんあります。他の機械を見たり、工場で現場の声を聞いたりしながら日々勉強しているところです。

株式会社山本製作所
製造現場の社員に加工の相談。部門を問わず、コミュニケーションをとりながら仕事ができる、風通しの良さが当社の強み

大変だと思うことは何ですか?

大変というより、難しいと感じるところになりますが、ものづくりをするうえで「偏らない視点を持つ必要性がある」ということです。
「ここに部品を付けたら、作業の邪魔になるかもしれない」「こういう機能があったら使いやすいのでは?」というお客様の立場に立った目線。「部品点数を減らせば、もっと作業効率を上げられる」という工場現場の考え。そして企業側として重要なのは「コストをかけずにより良いモノをつくる」こと。そうしたそれぞれの立場から求められていることを受け止めながら、ものづくりに反映させていくことが大事だと思っています。

今後やってみたいこと。

当社には受け継がれてきた高い技術と確かな実績があります。
しかし、私が携わっている新しい籾摺機は市場に投入されて5年しか経っておらず、まだ認知されていない状況にあると感じています。もう少し認知度を上げていけるよう、この新しい籾摺機に関わる一人として頑張っていきたいです。
個人的には、自分がリーダーとなってつくりあげた製品を「お父さんがつくった機械だよ」と息子に自慢できるようになることが夢ですね。

(2021/2/17取材)


株式会社 山本製作所

長年、農業・精米関連機器の専門メーカーとして歩んできた株式会社山本製作所。環境保全への取り組みが世界規模の重要なテーマとなっている今、これまで培ってきた技術を環境分野にも応用している。廃棄物のリサイクル活用などを主体とする環境にやさしい製品の開発に取り組み、地球環境の保全にも貢献している。

株式会社山本製作所
代表者:代表取締役 山本 丈実
創業:1918年
設立:1961年8月
従業員数:301名(2021年3月現在)
事業内容:穀物乾燥機や精米機をはじめとする農業精米関連機器の開発製造・サービス、発泡スチロール減容機、
木質ペレットストーブなどの環境関連機器の開発製造
所在地:(東根事業所)山形県東根市大字東根甲5800-1
TEL:0237-43-3411
FAX:0237-43-8830
URL:http://www.yamamoto-ss.co.jp