株式会社パルコモード

働きながら学べる環境で
縫製技術をしっかりと修得し
世界に誇れる品質の製品を届ける
株式会社パルコモード(米沢市)

婦人服のボトムスを専門に手掛ける株式会社パルコモードは、織物の産地米沢にある縫製会社。東北で唯一、厚生労働省認定の企業内訓練校(ファッションスクール)を持ち、社員は国家試験の1・2級技能士の勉強をすることができます。仕事をしながら資格をとること、技術のレベルアップに必要なことなどについて3名の方にお話をうかがいました。

雰囲気の良さと規模の大きさが魅力

入社のきっかけを教えてください。

21歳と18歳のお子さんがいる本間さんは、子育てをしながら長年勤務

本間 比呂美(ほんま ひろみ)さん
米沢市出身。1987年入社。生産ラインサブリーダーとして、品質チェックを担当。ご主人と2人のお子さんの4人暮らし。婦人子供既製服縫製作業2級技能士。

本間
高校の時に求人票を見ていて、先生から「この会社いいよ」と言われて決めました。入ったらみんなやさしくて、雰囲気もよく、いい会社だなと思いました。
佐藤琴乃さんは米沢工業高校出身。本間さんとは先輩後輩の関係

佐藤 琴乃(さとう ことの)さん
米沢市出身。2004年入社。FC(フロントコントロール)ラインサブリーダー。婦人子供既製服縫製作業2級技能士。

佐藤(琴)
学校でミシンの授業があったんですが、楽しくて、仕事にできればいいなと思っていました。地元で働きたかったのも理由です。大きな会社で、いろんなブランドを取り扱っているのも魅力でした。
米沢商業高校出身の佐藤千春さん。南陽の自宅から車で通勤しています

佐藤 千春(さとう ちはる)さん
南陽市出身。2013年入社。生産ラインオペレーター。ミシンオペレーターとして多能工の勉強中。今年1月、婦人子供既製服縫製作業2級技能士の試験にチャレンジし、見事合格。

佐藤(千)
高校の頃から製造業に就きたいと思っていました。中でも服をつくる仕事に興味があり、入社前に企業見学をさせていただいた時の雰囲気が良かったので決めました。

現在、どんな仕事をしていますか。

佐藤(琴)
縫製する前の工程を担当しています。特殊ミシンで、ポケットやベルトなど細かいパーツを作り縫製ラインに渡します。
本間
縫製ラインは9ラインあって、それぞれ花の名前がついています。私は「ライラックライン」で、ベルト部分の縫い工程を担当しています。各ライン6人で1着を完成させる「1枚流しの6人編成ライン」です。
佐藤(千)
私は「コスモスライン」に所属しています。入社してまだ3年目なので最初の工程、ポケット部分の縫い工程を担当しています。
株式会社パルコモード
特殊ミシンを使いこなしポケットなど繊細な部分をつくる佐藤琴乃さん
株式会社パルコモード
ウエスト部分の仕上がりをチェックする本間さん。ゴムが入ると縫製は難しくなるそう
株式会社パルコモード
ポケットの部分を縫製している佐藤千春さん。時間制限があるので1秒1秒を大切にしています

国家資格を取得できる企業内スクール

株式会社パルコモード
「講師も指導員の免許をもった社員が行います」と鈴木百合子常務取締役
鈴木常務
「パルコモードファッションスクール」という企業内訓練校があり、社員は6つのコースからそれぞれ目標にあったコースを受けることができます。特に婦人子供既製服縫製作業の技能士コースは、多くの社員が受講し合格しています(1級6名、2級52名)。スクールがあるということで入社される方も多いです。
佐藤(琴)
会社で検定を受けられるのはすごくいいと思います。試験勉強はとても大変だけど、スキルアップにもつながります。
佐藤(千)
私も先日、2級技能士の試験を受けました。
山本常務
仕事が終わってからスクールに通うのは大変だと思います。特に女性社員の方は、帰宅後も家事や育児をされているのですから頭が下がります。スクール修了後、奨励金として応援しています。
株式会社パルコモード
「試験に合格すれば、一時金も支払われます」と山本直樹常務取締役

仕事で難しさを感じる時はありますか。また、誰に相談していますか。

本間
人間関係で悩むときはあります。鈴木常務は、優しくて頼りがいがあるので、いろいろ相談しています。他にもチーフや直属の上司など相談しやすい人が周りにいるので心強いです。
佐藤(琴)
私の担当は専門的で、同じ仕事をしている人が少なく休みづらいのが悩みです。相談ではないですが、プライベートのことで同年代の子と話して気分転換しています。話せる人が近くにいるのは大きいです。
佐藤(千)
まだ3年目なので、わからないことが多くて大変です。リーダーや先輩に相談して、なんとかやっています。なんでも話せる同期の子もいます。
株式会社パルコモード
スクールでの授業の様子。壁面には資格取得者の賞状がずらり
株式会社パルコモード
主な相談相手は鈴木常務です、と本間さん
株式会社パルコモード
佐藤琴乃さんの悩みは、自分の代わりがいないこと
株式会社パルコモード
同年代の女性が多いので働きやすいと佐藤千春さん

相手を思うこと、製品に責任を持つこと

仕事をする上で大切にしていることは。

本間
品質管理。不良品を出さないよう、きれいな製品をつくること。注意されたことは見直すようにしています。
佐藤(琴)
コミュニケーションです。コミュニケーションがとれていないと自分が困った時に助けてもらえないし、誰かが困っていても、コミュニケーションがとれていれば手伝うことができるので。
佐藤(千)
仕事を正確にすることです。流れ作業なので、雑になったら、次に縫う人が困るので、1つ1つ正確にして、後の人が縫いやすいように考えながら仕事をしたいです。
株式会社パルコモード
今後の目標を教えてください。

佐藤(琴)
サブリーダーをしていますが、自分の仕事をしながら、まわりのオペレーターの人たちを見るのがなかなか難しいので、これからは指導の方ももっとできるようになりたいです。
佐藤(千)
まだまだ覚えることがたくさんあるので、まずは仕事を覚える。一度作った製品は、指示されなくても一人でできるようになりたいです。
本間
私は一着まるごと縫えないので、縫えるようにして、人にも教えられるようにしたいです。
株式会社パルコモード
縫製ラインでは、6人が分業して一着を仕上げる
ものづくり産業を目指す女性にメッセージをお願いします。

佐藤(千)
最初はわからないことだらけで不安だと思いますが、まずは一生懸命働く姿勢を大事にすること。それが一番大切だと思います。
佐藤(琴)
最初は何の仕事もできなくてあたり前だと思うので、できないと挫けそうになっちゃうけど、根気よくがんばるしかないので、がんばって欲しいです。
本間
どんな仕事でも大変なので、根気よく勤めてもらいたいです。
株式会社パルコモード
主な取引先はファイブフォックス、ビギ、トゥモローランドなど

「パンツの縫製というのは、実はとても難しいんです」と鈴木常務。ファッション関係の人から「なぜ、こんなにきれいに縫えるの?」とよく聞かれるそうです。デザインや素材も常に進化し変わっていくファッション業界。「売れ筋の商品は短納期、短サイクルで生産することが求められます」と山本常務。めまぐるしく動く業界で、パルコモードは婦人服ボトムスの生産量トップクラスを誇ります。プロフェッショナルな精神をもつ社員のみなさんが、確かな品質のものを届けている証なのでしょう。

(2016/2/25取材)

株式会社パルコモード(米沢市)

企業からのメッセージ
株式会社パルコモード
社名のパルコモードは緑と太陽、ファッションの情報発信の情熱の国、イタリアの公園(パルコ)からとりました。会社を公園と例えるならば、そこに咲く花々はスタッフ。全社員で明るく、清潔な働きやすい環境作りに取り組んでいます。東北唯一の企業内ファッションスクールを設け、個人のレベルアップを応援しています。専門的なポジションも有るのでスクールを通じて多能工化を計り、個人の負担を軽減出来るよう改善を進めています。求める人材像は「明るく 素直 思いやりのある人。自分に限度(境界線)を持たない人」です。平均勤続年数 17年は多少でも社員の人たちに理解してもらっていると思っております。

社員数
代表者:代表取締役 今井 三男
所在地:山形県米沢市城西4丁目4番21号
TEL:0238-23-8201
URL:http://www.parcomode.com/
産業分類:製造業
事業内容:婦人服の縫製・仕上げ
インターンシップ、企業見学の受入:可

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