山形クラッチ株式会社

世界にはばたくメイドイン山形
世界が求め続ける
良質低価格品
山形クラッチ株式会社(鶴岡市)

クラッチカバーとクラッチディスク さまざまな製造ニーズに対応

山形クラッチの主要製品であるクラッチカバーとクラッチディスク。
軽自動車から大型車両まで、約400種類ものクラッチが製造されている。

幅広い守備範囲でクラッチ需要をカバー

山形クラッチ株式会社は、その社名が示す通り自動車のクラッチ製造をメインとする企業です。1973年に自動車用クラッチのOEMメーカー(発注元のブランド名で販売される製品を製造する企業)として誕生し、以来、ここで製造されているクラッチは世界の自動車市場に供給されています。クラッチとは、エンジンとトランスミッションの間に位置し、エンジンの回転をトランスミッションに伝えたり、遮断したりすることによって、発進、停止、変速といった自動車の性能を担う装置。山形クラッチでは、さまざまな車両に応じたクラッチを開発・設計・製造まで一貫して行い、純正品と同品質のものをより安価に提供することで信頼を得ています。

しかし、近年ではオートマチック車の著しい普及に伴い、一般的には“クラッチ”という言葉を耳にする機会も少なくなりました。現在および将来的なクラッチ需要はどうなのかといった素朴な疑問を投げかけてみると、「会社が設立した昭和48年にはすでにオートマチック車の普及は始まっていました。当社のクラッチは「アフターマーケット品」と呼ばれる修理用が主流で、昭和40年代の自動車も守備範囲にしていますから、こだわりの愛車に乗り続けている方などから需要の継続はありますね」と、業務グループマネージャーの佐藤和裕さん。しかも、日本の自動車のエンジンはとても丈夫で、廃車後も東南アジア等で作業機械のエンジンとして活用され続けるというケースもあり、そのエンジンに付随するクラッチの交換という需要が生まれるわけです。

業務グループマネージャーの佐藤和裕さん
会社の案内、説明をしてくれた業務グループマネージャーの佐藤和裕さん
クラッチディスクとクラッチディスクの製造ライン

技術と設備を生かして時代のニーズに対応

クラッチディスクとクラッチカバーを主力製品としている「山形クラッチ」にとって、クラッチを要しないオートマチック車が完全に主流となっている現状は深刻な問題です。こだわりがあってマニュアル車に乗り続けている人や貴重な動力としてエンジンを使い続けている人によってクラッチ需要が支えられているとはいえ、絶対数の減少は否めません。しかも、新車に及んでは最初からマニュアル車の設定自体がない車種も増えてきています。

こうした自動車業界の変化に対応すべく、「山形クラッチ」では、マニュアル車比率の高い国々を中心にクラッチシェアの拡大を図るべく、その生産拠点としてバンコクに子会社「タイ・エヌ・ケイ・ケイ・メタルカンパニーリミテッド」を設立。世界に目を向ければクルマの数は膨大で、パーセンテージとしては少なくなっているとはいってもてマニュアル車の台数もまだまだ膨大です。現在、1%程とみられている同社の世界シェアを数%上げるだけでもかなりの需要が見込めるという点に着目しています。

鍛造技術を生かして製造されている自動車部品
鍛造技術を生かして製造されている自動車部品

さまざまな製造ニーズに対応
切削、プレス、鍛造など、各種技術も設備も充実、さまざまな製造ニーズに対応

また、クラッチ製造で培った開発、設計、金型、プレス、熱処理などの技術とノウハウを生かして他の部品製造にも取り組みはじめています。近年、環境問題に対する意識の高まりや税制面での優遇措置等を受けて急増しているハイブリッド車、その部品加工も手掛けているほか、近隣工場の依頼を受けて、農機具や建設機械の部品製造も行っています。売上げ全体の9割をクラッチが占め、残り1割ほどがその他の部品。クラッチにこだわりながらも、新しいものづくりのタネまきにもしっかり取り組んでいるところです。

環境問題に配慮したクラッチ製造をめざす

世界におけるクラッチシェアの拡大を図るためには、より優れた性能のクラッチをより安価に提供していく必要があります。山形クラッチの開発・設計部門では、つねにクラッチ性能の向上に努め、トヨタ、ニッサン、マツダなどの純正品をベースにしながらもよりよい品質を実現しています。スムーズにつながる、乗り心地がいいといった走行性の向上に加えて、今後さらに強く求められるようになるのが環境性能ではないでしょうか。クラッチにいい摩擦材を使うことによってエンジンの回転を効率よく伝達できるようになれば燃費がよくなり、CO2の削減になります。

また、クラッチをコンパクトにすることでクルマの軽量化を促進し、ここでも燃費の軽減に貢献することができます。さらに、クラッチの耐久性が増せば増すほど、交換する回数が少なくなり、鉄などの天然資源の枯渇を防ぐことにもつながるわけです。山形クラッチの技術力はこれからも、自動車業界をはじめとする製造業全般の進化に際し、要所要所で大きな役割を担っていくことになるでしょう。

クラッチディスクとクラッチディスクの製造ライン
クラッチディスクとクラッチディスクの製造ライン
クラッチディスクとクラッチディスクの製造ライン
(2009/9/17取材)

山形クラッチ株式会社

山形クラッチ株式会社
山形クラッチは、1973年にアイシン精機株式会社と佐藤商事株式会社の出資により自動車用クラッチのOEMメーカーとして誕生。2009年からは出資比率の変更を受けてアイシン精機の子会社という位置づけになっている。日本車はもとよりアメリカ車や欧州車、アジアンカー等あらゆるクラッチを粗形材から完成品まで一貫生産。タイに子会社を展開し、ワールドマーケットの拠点を担っている。また、クラッチの製造プロセスで培った技術と設備を生かし、ハイブリッド車の部品加工や農業機械や建設機械などの部品製造も受注、時代の要請に対応している。
代表者:取締役社長 園田 史朗
設立:昭和48年2月
従業員数:117名
事業内容:自動車用クラッチカバー・ディスク、ブレーキディスクローターの
     製造販売、熱間鍛造品、モールドベースの製造販売、熱処理受託
所在地:山形県鶴岡市下山添字庄南43
TEL:0235-57-2881
FAX:0235-57-4674
URL:http://www.mtex.co.jp/
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