株式会社タカハタ電子

世界にはばたくメイドイン山形
真摯にものづくり、
大胆にソリューション
株式会社タカハタ電子(米沢市)

液晶ディスプレイの生産風景液晶ディスプレイ技術者たち

受託生産から自社製品まで、主力製品である液晶ディスプレイの生産風景。(写真左)

受託生産で高めた技術力で自主事業も

1986年に液晶テレビ生産に着手して早20年以上、その翌年からは液晶ビューファインダーの量産を開始するなど、長きにわたって液晶関連が主力事業となっているタカハタ電子。次世代テレビを筆頭に液晶製品が全盛となっている現在ですが、「商品開発や先端設備の購入などに追われる期間が長く、業績に反映されるようになったのはここ数年のこと」と安房善彰社長室長はいいます。

しかし、多くの人に手助け頂きながらの地道な取り組みがタカハタ電子自体の生産力や技術開発力として蓄積され、自主事業でも着実に結果を出し始めています。1988年には物流仕分け装置(デジタルピッキングシステム)、1989年には液晶カラービューファインダーと立て続けに世界初の開発に成功、2000年からは自社ブランドの液晶カラーモニターの販売を開始しました。さらに、ドイツ車および国内自動車メーカー向けのカーナビモニターや車載用、自動販売機用、FA操作パネル用液晶モニターの開発生産など、自主事業の充実によって経営基盤をより強固なものにしています。

デジタルピッキングシステム
テスト中のデジタルピッキングシステム
産業用モニター
自社ブランドで販売している各種産業用モニター
ビューファインダー
設計から手掛けたビューファインダー
渡部隆特機システム事業本部本部長
物流仕分け装置(デジタルピッキングシステム)の利用モデルを説明する渡部隆特機システム事業本部本部長

従業員の4分の1が技術者という開発型企業

受託生産を柱とする量産工場としてスタートを切ったタカハタ電子ですが、現在では、従業員の約4分の1が各種技術者という開発型企業に生まれ変わっています。受託生産とはいっても大手企業の要望通りに作るだけでは生き残れない、これからは付加価値を産むための新たな技術開発力が必要と考えたからです。こうした会社の方針を受けて技術に目覚めた従業員たちは、現場のコンベアーを内製化し、後にそれを製品化して海外に輸出したり、プリント基板をチェックするインサーキットテスターや無人搬送車を開発するまでになっていました。

しかし、それらがすぐに自社製品として成功したわけではありません。どんなにいいものをつくってもお客さまのニーズやマーケティングに即していない製品は売れないのです。こうした反省に立ち、1988年には膨大な商品や部品が保管されている棚などにデジタル表示器を設置し、その指示により必要な商品をスピーディーかつ正確に集めることができる作業支援システム「物流仕分け装置」(デジタルピッキングシステム)を開発。これを山形県機械工業展に出展したところ、大手メーカーなどからも反響があり、一躍、同社の自主事業の代表的な製品の一つとなったのです。また、それらの技術力を生かして試作や1台からの小ロット受託生産にも対応。難しいもの、非効率なものにもトライすることで次の事業に結びつく技術を育てています。

技術者たち
技術者たち
手半田付けやライン管理、組立、配線など、様々な技能で“メイド・イン・タカハタ”の品質を支える技術者たち

総合力を生かした「モノ創りソリューション」

現在、タカハタ電子では、作りたいものに対してラインを合わせられるという強みを生かして「モノ創りソリューション」事業に力を注いでいます。企画打ち合わせから、設計、部品調達、試作量産、検査、品質保証、納品・サポートまでを一貫して提供するソリューションビジネスです。また、2006年からはものづくり業界最大の見本市、インターネプコン展示会に出展を開始し、タカハタ電子のものづくりにおける多様な可能性を存分にアピール。いろいろな形で認知度アップを図り、お客さまの安心感へとつなげているのです。

これまでは人件費が安いという理由で製造部門が海外に流出していましたが、中国やインド、台湾などは技術開発力でも追随してきており、今後はレベルの高い技術力や開発分野までも流出していくことが懸念されます。タカハタ電子では、高度な電子・情報・機械関連産業の一大集積地である米沢という地の利を生かし、企業間連携や山形大学工学部との産学連携にも積極的に参画。さらなる人材育成とネットワークの強化を図ることにより活路を見出しています。

安房善彰社長室長
お話をうかがった安房善彰社長室長。モノづくりソリューショングループ統括として、インターネプコンワールド展示会の出展も仕掛けた
(2008/11/3取材)

株式会社タカハタ電子

株式会社タカハタ電子

「モノ創りはひと創り」「ひと創りはゆめ創り」という一貫した考えのもと、液晶関連を主力に、電子機器、物流・生産という3つの事業を展開。そして、生産形態も生産受託、製品受託、自社ブランドの3通り。企画・設計から製造、生産、サポートまで、ものづくりをトータルに提供・提案できる強みを生かして安定成長をつづけている

代表者:代表取締役 安房 毅
創業:1974年6月
従業員数:264名
事業内容:液晶ディスプレイ、デジタルピッキングガイドシステム、回路ボード・モジュール等、生産受託から製品受託、自社ブランド製品の開発製造まで。
所在地:山形県米沢市窪田町窪田1188
TEL:0238-37-3355
FAX:0238-37-2342
URL:http://www.takahata-denshi.co.jp
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