佐藤真彦さん

木のぬくもりと
素晴らしさを次世代へ
もっと伝え、広めたい。
株式会社庄司製材所(真室川町)

庄司製材所は、最上郡真室川町に本社・工場を置き、金山町にも工場を持つ製材会社。木のぬくもり、木製品の素晴らしさを身近で感じてもらうために展示・直売するホームセンターも展開しています。佐藤さんは、それら事業の要となる製材部門のオペレーター。お客さまのニーズに合わせ、よりスピーディに高品質の製品をお届けすべく日々スキルを磨いています。

佐藤真彦さん

プロフィール
佐藤 真彦 さん
昭和57年生まれ。
鮭川村出身。
学校法人新庄学園新庄東高等学校卒業。
2000年株式会社庄司製材所入社 本社工場勤務。
2002年ウッドトラス金山工場新設に伴い、製材オペレーターとして勤務し、現在に至る。

入社の動機、きっかけは?

祖父が大工だったこともあり、木材を扱うことに興味があり、漠然とその方面の仕事につきたいとは思っていました。そして大好きな地元・最上地域でずっと働きたいという気持ちも強かったんです。高校3年の就職活動でこの会社を知り、「これだッ」という思いでした。当初は本社工場勤務でしたが、6年前からはここ金山工場勤務なので、自宅のある鮭川村からの通勤はさらに便利に。仕事もとても順調です。

具体的な仕事内容を教えてください。

入社して2年間は、加工された木材の選別、結束などの仕事をしていました。先輩オペレーターが手際よく丸太をカットしている様子を「すごいなあ、きっと自分には無理だ」と思って見ていたものです。でもその後、先輩から操作盤の扱い方などを教えてもらうようになり、入社3年目に「ウッドトラス金山工場」が新設されたのに伴い、製材オペレーターとして働いています。

この金山工場では、住宅用建材やホームセンターなどで販売される木材の製材作業を行っています。製材オペレーターの仕事は、丸太を木材にする第一段階。操作盤で丸太の曲がりをチェックし、注文のあった製品のサイズをコンピューターに入力し大割りして次の加工段階に回すのです。丸太の大きさに合わせていかに無駄のない製材をするか、その日のメニューを時間内でこなせるか、それらはすべてオペレーター次第。みんなの作業がスムーズに進むように効率アップに努めています。

丸太の曲がりをチェックし、コンピューターに寸法を入力
丸太の曲がりをチェックし、コンピューターに寸法を入力
丸太
敷地内に積み上げられた杉は、県内外から集められる
敷地内に積み上げられた杉は、県内外から集められる

この仕事に手応えを感じていますか?

そうですね。オペレーターの仕事をはじめたころは手元がおぼつかず、なかなか大変でしたが、不思議なくらい辞めたいとか、他の仕事がしたいとかはまったく考えませんでした。今では最初のころよりもずいぶん慣れてきて自分が思う通りに丸太から製品を作り出せるようになったと思います。スピーディーかつ歩止まりよく木材を加工できるようになったので、この道でがんばっていけるという手応えは感じられるようになりました。大好きな木や地元にずっと関わっていきたいですしね。

搬出から出荷まですべて屋内で作業ができる、全天候型生産工場
搬出から出荷まですべて屋内で作業ができる、全天候型生産工場

この仕事は自分に向いていると?

あまり人と話すことが得意ではないので、黙々と仕事に取り組む職人のようなこの仕事は自分に向いていると感じています。木材加工用機械作業主任者の資格も取りました。でも、もちろん一人でできる仕事ではないのでチームワークは重要。工場内は機械の音がスゴイので、仕事中は話しをするというよりは、身振り手振りやアイコンタクトで意思の疎通を図っています。この金山工場には20人ほどのスタッフがいますが、みんな仲がよく雰囲気がいいので毎日楽しく仕事をしています。

佐藤真彦さん

この仕事をしていていちばんうれしいことは?

自分が作った製品を使って大工さんが家を建て、そこに住む家族のみなさんに喜んでもらえたり、ホームセンターで木材を購入したお客さまが思い思いの作品を作って満足していただいたりすることが私の誇りです。こちらまで幸せな気持ちになります。当社の製品に付けられるマルエスマークは木材市場におけるブランドの証。その信頼を裏切らないように、これからもよい製品だけを世に送り出していかなければと肝に銘じています。

庄司製材所の木材に刻印される信頼のマルエスマーク
庄司製材所の木材に刻印される信頼のマルエスマーク

これからの佐藤さんの目標を教えてください。

木のぬくもり、その素晴らしさをもっともっと多くの人に知ってもらいたいですね。木のぬくもりを通して、静かで自然豊かな地元・最上地域のよさをアピールし、地域に貢献できるような仕事をしていきたいと思っています。

佐藤真彦さん

佐藤さんは2年前に結婚し、ここで製品化された建築用建材で増改築した住宅に暮らしています。自ら木のぬくもりを日々実感しているというわけです。「人と話すのは苦手」と言いながらも、木や仕事、地元への思いをとても誠実にわかりやすく話してくれました。その仕事ぶりは、黙々と職人指向。杉材の真っ直ぐさそのままに、とても実直な人柄がうかがえました。

(2008/10/28取材)

株式会社庄司製材所

良質な国産材を大量に確保し、製造システムの自動化により、低コスト・短納期で安定供給している。副産物はチップ材やキノコの栽培材料などとして無駄なく活用。バイオマスやリサイクルなど、環境問題にも取り組んでいる。

株式会社庄司製材所
代表者:代表取締役 庄司 和敏
創業:1976年
設立:1988年3月
従業員数:67名
事業内容:国産材の製材および販売、山菜栽培・販売
所在地:山形県最上郡真室川町大字大滝108-2
TEL:0233-66-2032
FAX:0233-66-2123

前のページは
次のページは
世界にはばたくメイドイン山形  山形を選んだUターン・Iターンの先輩たち  ヤマガタの未来を切り開く女性たち  山形の達人  プロフェッショナルへの道