臼井さん

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NDソフトウェア株式会社(南陽市)

NDソフトウェア株式会社は介護・福祉・医療施設向けのオリジナルソフトウェアの開発・販売を行うシステムメーカーです。開発部署では、6~10人単位のグループに分かれ、それぞれ異なるシステムの開発を行っており、臼居さんの所属する第1グループでは、主に特別養護老人ホームなどの入所施設で使われるシステムの開発を担当しています。

臼井さん

プロフィール
臼居 さん

昭和59年11月23日生まれ
東京工科大学メディア学部卒業
2007年4月NDソフトウェア株式会社入社

入社後4ヶ月間の研修期間を経て開発部第1グループに配属。主に特別養護老人ホームなどの高齢者向けの入所施設で使われるシステムの開発を担当。今後は新たに居宅サービス事業者向けのシステムの担当を控え、これまでのシステムとは異なる新たな知識の習得に精を出している。

入社した動機を教えてください。

大学時代を東京で過ごしました。地元である山形を離れたことで、山形という土地柄の素晴らしさを再認識し、就職するなら地元の企業と決めていました。NDソフトウェアの存在はインターネットで知り、まず介護関係のソフトウェアを扱っているという点に興味を惹かれました。自分自身が祖父母に可愛がられて育ったこともあり、間接的にでも高齢者の方の役に立てる仕事に魅力を感じたからです。さらに大学で学んだプログラミングの知識が生かせるという条件も揃っていたことが決定打に。後に県内では優秀な企業であることを知り、安心して働ける環境が整っていることも入社したい気持ちを後押ししました。

現在の仕事内容について教えてください。

NDソフトウェアでは総勢50人ものシステムエンジニアがいくつかのグループに分かれ、グループごとに様々なシステムを開発しています。私が現在関わっているのは特別養護老人ホームなどの入所施設向けの「ケア記録支援システム」という商品で、高齢者の方々の介護状況を記録したり、業務日誌を作成する目的で使用されるシステムです。開発の業務は、システムの仕様を考える「設計」、実際にシステムの作り込みを行う「製造」、システムの性能を検証する「評価」の3つのプロセスに分けられますが、現在は主に「製造」と「評価」の工程に携わっています。

臼井さん

これまで一番印象に残っている仕事は?

2007年12月に機能強化された「褥瘡(じょくそう)管理システム」の設計から評価までの一連の作業を初めて一人で担当したことです。褥瘡とは一般的に床ずれと呼ばれるもので、とくに寝たきりの高齢者の方に起こりやすい病態のこと。このシステムでは高齢者の方の現況から、褥瘡にどの程度なりやすいかを判断し、褥瘡を予防するための効果的なケアの方法を導き出すことができます。まずは褥瘡という病態のことをしっかり把握するため、無我夢中で勉強しました。お盆休み中にも本を持ち帰って読みふけったり。初めてのことも多く苦労しただけに、無事商品化されたときの喜びはひとしおでした。

担当した「褥瘡(じょくそう)管理システム」の画面。高齢者の方の現況から褥瘡にどの程度なりやすいかを判断する
担当した「褥瘡(じょくそう)管理システム」の画面。高齢者の方の現況から褥瘡にどの程度なりやすいかを判断する

この仕事でとくにやりがいを感じる瞬間は?

自分が製造に携わったシステムを、お客様に活用してもらえていると実感した時です。開発の部署ではお客様と直接やりとりすることは稀ですが、営業やサポートスタッフを通してお客様の意見をいただく機会が多くあります。「この機能が使いやすい」といったお誉めの言葉をいただけた時は、日頃の苦労が報われる瞬間です。もちろん良い評価ばかりではなく、中には厳しい指摘などもありますが、こうした意見が寄せられるのもお客様がシステムを活用してくれているからこそだと思っています。そうしていただく声の一つ一つが、「より使いやすいシステムを作りたい」というモチベーションにつながっています。

システムから出力できる統計の一例
システムから出力できる統計の一例

臼井さん
入社前と比べて自分が変化したと感じる点は?

入社するまでは、様々なサービスを「利用する側」でしかありませんでしたが、「提供する側」の立場に立ったことで、これまで何気なく過ごしていた外食や買い物のとき、その店のサービスの質に気をとめるようになりました。「どうすればお客様が満足するのか」を自分の仕事に置き換えて考えるようになったのです。そのために私ができるのは、「常にお客様の立場に立ってシステムを製造すること。」そう考えながら、日々業務に励んでいます。

この仕事に必要とされることは?

システムエンジニアというと、パソコンに向かって一人で黙々と作業をするイメージがあるかもしれませんが、NDソフトウェアの場合はそうではありません。グループ内でのディスカッションやプレゼン、システム製造後の他部署への機能説明会など、あらゆる場面で自分の考えを正確に伝え、相手の言葉を十分に理解するコミュニケーション能力の高さが必要とされます。また複数のシステム開発を同時に扱うことも多いため、「思考の柔軟さ」もシステムエンジニアに重要な要素の一つだと思います。

臼井さん

将来の目標を教えてください。

現在は主に一つの開発言語(ソフトウェアを開発するためのプログラミング言語)を使ってシステムの製造を行っていますが、将来的には一つの言語にとらわれることなく、様々なケースに応じて多様な言語を使い分けられるようになりたいです。自分自身のスキルを磨くことで、システムエンジニアとしての仕事の幅を広げていきたいと思います。

数あるIT関連の企業から地元のNDソフトウェアを選んだのは、何よりも「自分のやりたいことを実現できる道を優先したから」と語っていた臼居さん。グループ内ディスカッションでの、先輩に意見を求められても物怖じすることなく自分の考えを述べるその姿からは、自らがシステムエンジニアに必要な要素と語っていた「コミュニケーション能力の高さ」がうかがえました。大学時代は人間の感情をコンピュータで表現する「感性情報学」を専攻していたという臼居さん。「将来的には今開発しているシステムに、感性情報学を応用できたらおもしろいですね。」と笑顔で語ってくれました。

臼井さん

(2007/12/25取材)

NDソフトウェア株式会社

介護・福祉・医療関連ソフトの企画・開発・販売・運用サポートを主軸に、介護サービス提供事業やインターネットによる介護報酬請求サービスなどヘルスケア全般のトータルソリューションとして全国展開を図っている。

NDソフトウェア株式会社
代表者:代表取締役社長 佐藤 廣志
設立:1979年9月
従業員数:465名
事業内容:介護・福祉・医療関連オリジナルソフトウェアプロダクトの企画・開発・販売およびソフトウェア運用支援ソフトウェア保守サービス
所在地:山形県南陽市和田3369
TEL:0238-47-7903
FAX:0238-47-3572
URL:http://www.ndsoft.jp/

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