
石川県出身。山梨大学工学部修士課程を修了後1996年に高畠ワイン株式会社入社。1年後には実質的な造りの責任者となり、2005年からはブドウ栽培に関しても統括。2006年には、葡萄酒技術研究会が創設したワイン醸造技術管理士(エノログ)に認定されている。
寒暖差のある気候、ミネラルを豊富に含んだ土壌、高畠町はブドウやラ・フランスなどの果実栽培に適した土地であると同時に、ワインづくりにも最適の地と考え「高畠ワイナリー」が創業したのは1990年のこと。協力的で熱心な契約栽培農家やワイン醸造技術管理士といった人的な環境の充実もあって、いまや東北最大規模のワイナリーに成長しました。四季折々の花やブドウ畑に囲まれ、きれいに整備されたワイナリーには年間30万人を超える見学者が訪れ、町の観光拠点としての一翼をも担っています。

ブドウの栽培に適した土壌や気候といった自然条件に加えて、栽培農家の人々の意識の高さや熱心さに支えられ、高畠町はデラウエアの生産量が日本一。高畠ワイナリーでは、60軒近くの契約栽培農家とともに良質でリーズナブルなワインをつくり続けてきました。そこに「畑 貴嘉」さんというさらなる戦力が加わり、高畠ワイナリーにおけるワインづくりはより高みを目指すことになるのです。畑さんは、山梨大学でワインと出合い、人に感動を与えるようなワインをつくりたいとの強い思いに駆られ、それが可能な環境として高畠町に惚れ込み、1996年に高畠ワイナリーに入社しました。
当初は、収穫されたブドウをいかにいいワインに仕上げるかという醸造面にのみ力を注いできましたが、やがて「いいブドウがなければいいワインはできない」と土壌も含めた栽培の重要性に目を向けるように。その結果、契約栽培農家とのコミュニケーションもより綿密になっていき、収穫量の制限や収穫時期の指定にも快く協力してもらえる関係を築くようになりました。


ワイン醸造技術管理士としての畑さんの仕事は実に多種多様です。ワイン用ブドウの栽培技術研究を行っている試験園で生育状況をチェックしたり、テイスティングで発酵の進行状況を確認したり、樽熟成のワインを樽から引き上げるための選別をしたり、瓶詰め前の製品の比重やアルコール、酸度などを検査したり……、文字通りブドウの栽培から醸造までを一貫管理しています。
その成果として、高畠町の異なる畑の異なる味わいが楽しめる「シャルドネの畑シリーズ」や2006年国産ワインコンクールのスパークリングワイン部門でトップに輝いた「嘉yoshiスパークリングシャルドネ」、深夜に最高の状態のブドウを収穫して仕込む「ナイトハーベスト」など、畑さんの目指すワインづくりが少しずつ実を結びはじめています。
「それぞれの国の風土や文化を表現してくれる、それがワイン。だから、私もワインを通して高畠を知ってもらいたい。そして、いつの日か“日本らしいワイン”をここ高畠から発信したいですね」と畑さんは、静かにしかし確固たる意志に満ちた言葉で今後の目標を語ってくれました。


高畠ワイン 株式会社
代表者:代表取締役社長 奥山 徹也
設立:1990年9月
従業員数:32名
事業内容:山形県産のブドウを原料とする地場ワインの製造及び販売
所在地:山形県東置賜郡高畠町糠野目2700-1
TEL:0238-57-4800
FAX:0238-57-3888
URL:http://www.takahata-wine.co.jp/