渡辺志織さん

この仕事だからこそ出会える
人、土地、文化。
贅沢な仕事だと思います。
藤庄印刷株式会社(山形市)

藤庄印刷株式会社は、昭和21年創業の県内印刷業の老舗的存在。関東以北で最初にドイツ製ローランド印刷機を導入したり、国内で数台目のCTP※を導入するなど、つねに業界をリードしてきました。渡辺志織さんは、その藤庄印刷の中で、企画・編集業務を担当。
ディレクターとして、ライターとして、そしてエディターとして、一人何役もこなしながら印刷物の制作にあたっています。

※CTP・・・・・Computer to Plateの略。印刷機にかける「版」を直接つくれる機械。

渡辺志織さん

プロフィール
渡辺 志織 さん

昭和54年10月20日生まれ
山形大学人文学部人間文化学科卒業。
2002年4月藤庄印刷株式会社入社。

藤庄印刷入社後すぐ、制作部門「株式会社ウイングエイト」に配属。企画・編集担当として、主に冊子やパンフレットの企画、取材、原稿作成などを担当。県内はもちろん、東京や九州などにも取材に出向き、山形に携わる人々の魅力を伝えるべく日々奮闘している。

この仕事を選んだきっかけは?

私にとって「話す」ことと「書く」ことは、欠かせない自己表現の方法でした。とにかく昔から人と話をするのが好きでしたし、自分の思っていることを、作文や論文のように文字にして伝えることにも積極的で、それだけ好きなら、この要素を職業にシフトしてみようと思ったんです。そして浮かんだのが、いろんな人の元へ取材に行き、それをたくさんの人に文章にして伝える「編集」という仕事でした。ずっと暮らしてきた山形には愛着があったので、山形のいい部分をたくさん伝えていくという意味でも、地元の企業で編集の仕事をできるところを探そうと思い、この藤庄印刷を選びました。

具体的な仕事内容を教えてください。

入社してすぐ、藤庄印刷の制作部門である関連会社、ウイングエイトに配属になりました。ここでは、主に各種パンフレットや冊子などの制作を行っており、企画・編集、デザイン、撮影の3つの部署から成り立っています。私が属するのは、企画・編集。原稿を作ったり取材に行ったり、打ち合わせをしたりしながら、お客様の求めているものをデザイナー、カメラマンとともに形にしていくのが、この企画・編集の最大の仕事となります。これまで私が担当してきたものとしては、全国版の旅行雑誌やプロサッカーチームの公式ハンドブック、県内にある大学の学校案内などさまざまです。入社して2008年で7年目になりますが、自らが一作業者になることもあれば、全体をまとめるチーフディレクターのような役割を担うこともあり、仕事に幅が出てきたことを実感しているところです。

渡辺志織さん

どんな時にやりがいを感じますか?

喜んでいただいたり、ほめていただいた時がいちばんうれしいですね。「渡辺さんにお願いしてよかった」、「また次もお願いします」なんて言葉をいただいたりすると、本当にやりがいを感じますし、同時に責任感も強く持てるようになります。自分を必要としてもらえるのはすごくありがたいことですし、そう思っていただけるように、お客様はもちろん、内部のスタッフとも常に意思疎通できる存在でいられたらいいなと思っています。

渡辺志織さん

この仕事を通じて気付いたことは?

今まで知らなかったことが身になっていく面白さですね。たとえば、入社して2年目くらいの頃から、庄内の仕事を担当することが多くなったのですが、それまで同じ山形県と言えど、庄内については何もわからないような状態でした。それが、県と共同で発行した「やまがたグリーン・ツーリズムガイドブック」の仕事をきっかけに、庄内の食べ物のおいしさや自然のすばらしさに気付き、それ以降も庄内の取材を重ねるうちに、すっかり庄内の大ファンになってしまいました。他にも、今まで知らなかった世界が、取材に行ったことでパッと広がったものは本当にたくさんあります。この仕事をしていなければ出会えなかった土地や文化、人などが、どれも私の宝になっていることを考えると、私はなんて贅沢な仕事をしているんだろうと、ついうれしくなってしまいます。

「成長した」と感じることはありますか?

取材をたくさん経験していくうちに、自分の中で、取材をする時の話の聞き方が大きく変わってきました。昔は、あらかじめ用意した質問をいかにこなすか、というところにとどまっていたのですが、ある時ふと、このやり方では本当に相手が伝えようとしている言葉を拾い上げることができないことに気が付いたんです。そこで、質問をこなすのではなく、相手の発した言葉をひとつひとつじっくり聞いて、そこから生まれる「会話」を楽しむスタンスに変えてみることにしたんです。すると、途端に相手の伝えたいと思っていることが見えるようになって、本当に取材が楽しくなっていったんです。これは、気付けそうでなかなか気付けなかった手法なんですが、それでも気付くことができたのは、用意した質問を丁寧にこなすという基本の部分を押さえられるようになったからかな、と、それなりに成長できたことをうれしく思っています。

制作物
制作物
渡辺さんが手がけた、『やまがたグリーン・ツーリズムガイドブック』山形県グリーン・ツーリズム推進協議会監修、みちのく書房発行(2005年3月発行)。みちのく書房は、藤庄印刷の出版部門。

渡辺さん
逆に、つい心配になってしまうことは?

仕事を始めて、思ったより自分に体力がないことに気付きました。ですから体調には気を遣いますね。残業が続きやすい仕事なので、どうしても寝不足になったり、食事が不規則になってしまいがちですし。でもだからこそ、今まで以上に自分の体をいたわるようになりました。体調の自己管理は本当に大事なことで、これはどんな仕事にも必要不可欠なものだと思います。そこで、できるだけ効率よく仕事が進められるよう実践しているのが、毎朝、その日の作業スケジュールを書き出してから仕事をはじめること。ごくごく当たり前のことなんですが、これをするとしないとでは、動きが全く違ってきますし、スムーズに作業が進めば、残業時間も減って、朝もきちんと起きることができる。そういう当たり前なことを当たり前にできるって、実はとても大切なことなんじゃないかと思います。

これからの目標は?

いまは自分の中の語彙や表現方法をどんどん増やしていく時期だと思っているので、できるだけたくさんの本を読みたいと思っています。もちろん人との会話から習得できるものもありますし、とにかくいろんな言葉と触れ合って、いずれ自分の名前で文章や記事が書けるようになったらうれしいですね。

渡辺さん

取材することの楽しさ、やりがい、また「本」というものづくりに対する愛情をいきいきと語ってくれた渡辺さん。7年というキャリアの中で培った人脈や交友関係も、仕事をしていく上でかけがえのない大切な財産、とも話してくれました。渡辺さんの名前が載った記事や雑誌を目にする機会が、これからたくさんあるかもしれません。

(2008/2/18取材)
www.labor.yamagata.jp
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藤庄印刷株式会社

蔵王の裾野、緑あふれる美しい環境に立地し、企画・制作から印刷・配送まで「一貫体制」で行う総合印刷会社。パンフレット、チラシはもちろん、インターネット等のデジタルコンテンツの制作も得意分野とし、徹底した生産体制でお客様の要求に答える。

藤庄印刷株式会社
代表者:代表取締役社長 那須 克彦
創業:1946年1月
従業員数:161名
事業内容:商業・美術・書籍・ビジネスフォームに関わる印刷物の企画・制作・印刷、電子広報業務、イベントの企画・運営など
所在地:山形県上山市蔵王の森7(蔵王の森工場)
TEL:023-677-1111
FAX:023-677-1144
URL:http://fujisho.co.jp

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