株式会社ニクニ白鷹

ふるさとを離れて大きく成長。
会社と地元、
次世代を担う若きリーダーとして
新たなステージへ。
株式会社ニクニ白鷹(白鷹町)

株式会社ニクニ白鷹は、半導体露光装置や映像光学機器、医療機器など様々な分野の製品において、機械加工・表面処理・組立の技術を提供している会社。全国各地を飛び回り、製造業の現場でコンサルタントとして経験を積みUターンした大場さんに、現在の思いをお聞きしました。

Uターンのきっかけを教えてください。

大学を卒業後、7年ほど無人金型工場の立ち上げプロジェクト参画と製造業のコンサルタントとして全国の製造現場へと赴いていました。長男ということもあり、幼い頃から家を継ぐことは意識していましたが、仕事にやりがいも感じていましたし、スキルアップも楽しく経済的にも安定していましたので、このまま東京で仕事を続けていきたいという思いがありました。しかし、祖父母が相次いで他界し、幼い頃から可愛がってもらった祖父母に対して何の恩返しもできなかった事への申し訳なさが溢れ、この頃からふるさとへの想いが強くなっていきました。やりがいのある仕事と、ふるさとでの生活、どちらを優先すべきか1年ほど悩む日々を過ごしました。ちょうど28歳頃のことでしたので、転職するなら20代のうちが良いのではないかと思い始めた頃に、妻から「思い切って帰ろうよ。」と背中を押され、帰郷を決めました。しかし、Uターンを決意したものの、都内で置賜の求人情報を得ることがとても難しかったことには驚きました。情報が得られず、腰を据えて転職活動をする為、転職先を決めぬまま帰郷。不安を感じていましたが、縁あって、業務改革を目指すべく人材を探していた現在の職場 ニクニ白鷹と出会いました。

現在の仕事内容を教えてください。

当社は、半導体露光装置や映像光学機器、医療機器など様々な分野の製品において、機械加工・表面処理・組立の技術を提供している会社です。その中で私は、製造現場と調達を担当する生産管理の間を取り持ち、業務をより円滑に進める役割を担っています。入社後2年ほどは、社長付という立場で社長のサポートをしながら、会社全体のことを学びました。その後、現在は「納期達成率アップ」を目標に掲げ、製造現場の担当者、そして生産管理の担当者それぞれとコミュニケーションを密にしながら問題点を探し出し、業務の効率アップに取り組んでいます。

大場貴史さんのプロフィール

山形県立長井高等学校に入学

東京工科大学工学部に入学

東京都内のベンチャー企業
株式会社インクス
 (現在の株式会社SOLIZE)に入社

株式会社ニクニ白鷹に入社
1984年生まれ。山形県長井市出身。
長井高等学校を卒業後、東京工科大学 工学部に入学。卒業後、東京都内のベンチャー企業 株式会社インクス(現在の株式会社ソライズ)に入社し約7年間、無人金型工場の立ち上げプロジェクト参画と製造業のコンサルタント業務にあたる。
2013年に地元長井市に帰郷し、株式会社ニクニ白鷹へ入社。現在は製造部 製造管理課 係長として製造統制業務を担当している。二児の父親。

山形で働いてよかったと思う点は?

1番の変化はプライベート面ですね。一言で言うと、人間らしい生活ができるようになったということでしょうか(笑)。東京での仕事は、やればやるだけ成果がでることが面白く、勤務時間は青天井。ひたすら働き詰めの日々でした。食事も100%外食で、相当体に負担をかけていたと思います。今は、真逆ですね。生活リズムも安定していますし、朝夕の食事も自宅でゆっくり。そして昼食はもちろん妻の手作り弁当です。すっかり健康的な生活になりました。また、休日には地元の友人とキャンプやバーベキューを楽しんだり、時には飲みに行ったり、ゆとりのある生活になりましたね。また、父と母が孫を可愛がっている姿をみると、「ああ、帰ってきて良かったな」と思いますし、雪下ろしや地域活動など、父母だけでは負担が大きかったであろうことをフォローすることができ、それが心の安定につながっています。

製造現場の担当者、そして生産管理の担当者と進捗状況を随時確認。細やかなコミュニケーションを図っている。
製造現場の担当者、そして生産管理の担当者と進捗状況を随時確認。細やかなコミュニケーションを図っている。

この会社に入ってよかったと思うことは?

ニクニ白鷹は、神奈川県に本社を持つ株式会社ニクニのグループ会社なのですが、ニクニグループが力を入れているのが「社員教育」。従業員のやる気に応えてくれるサポートプログラムがあり、きちんとしたビジョンさえあれば、やりたいことに挑戦させてくれるのが嬉しいですね。私はイタリアへの研修に行かせてもらい、世界一の加工機の見本市やイタリアの製造会社を数社まわり、海外の製造現場の今を知ることができ、とてもいい経験になりました。

総務課の樋渡さん
総務課の樋渡翔さん。「仕事が早く、メリハリを持って業務にあたる大場さんから、日々刺激をもらっています。」
印象に残っているエピソードはありますか?

先ほどお話したイタリアでの研修ですね。日本は1つのものを作るのに、複数の工程(機械)を経て作るのに対し、イタリアなどの欧州は、1つのものを作るのに、1つの機械の中で複数の工程を行い、ポロッと生み出すという新しい製造の考え方の流れがあることに驚き、新鮮に感じられました。国内、ましてや社内という狭い世界に閉じこもっていてはいけない、常に新しい考え方を取り入れる為、外を見なければダメだと強く感じた出来事でした。

細やかなコミュニケーションを図っている。
影響を受けた人はいますか?

7年あまり在職していた、前職の仲間やクライアントとの時間は、私の仕事に関する考え方に大きな影響を与えていると思います。昼夜、休日に限らず仕事漬けの日々でしたが、それは「まぁ、こんなもんでいいか。」という妥協ありきの仕事ではなく、目標を常に持ち、より良い仕事をしよう、という意識が高かったからだと思います。「常に人の想定を超えることを意識する。(依頼されたこと以上のアウトプットをする。)」「慣習に囚われることなく絶えず変化し、革新する。」「場面により視点の高さを変える(時に俯瞰的に、時に視点を下げて)」「現状を把握し、在りたい姿となる高い目標を描く」など、今の私が大切にしている理念に繋がる多くのことを学びました。

今後の目標を教えてください。

直近の目標としては、現在任されている「納期達成率の向上」をできるだけ早くクリアすることですね。長期的な目標としては、刺激的な会社づくりに携わっていきたいと思っています。そのための基盤を作るべく、プライベートの時間を使って国家資格の取得を目指し勉強しています。現在当社では請負のものづくりを行っていますが、新しいトレンドのものづくりや、仕組みを取り入れる等、若い人が常に挑戦することが出来る環境をつくり、良い人材がどんどん集まってくるような会社づくりに携わりたいと思います。

大場さん
力強くビジョンを語る大場さん

山形へU・Iターンを考えている方へメッセージをお願いします。

まず「決める」ことですね。「自分にとっての幸せは何か。」ということを基準に、恥ずかしがらず、自分としっかりと向き合って、今後の人生の行く先を決めることが大切だと思います。また、ある程度の蓄えも必要ですね。しっかり備えをし、しっかりと決めて動けば、なんとかなると思いますよ。

ふるさとから離れた土地で出逢った仲間と切磋琢磨し、大きく成長してふるさとへ戻った大場さん。会社だけでなく、地域発展を担う若きリーダーとして、今後も活躍してくれるに違いありません。

(2017/11/27取材)


株式会社ニクニ白鷹

株式会社ニクニ白鷹
半導体露光装置や映像光学機器、医療機器など様々な分野の製品において、機械加工・表面処理・組立の技術を提供。また自動車部品・産業用機械部品の製造のほか、近年は製造装置等の設計・製造にも取り組む。量産品の生産拠点が海外へシフトする中、職人の技術でつくる「ハンドメイド品への回帰」にも力を入れ、「究極のスピード」をモットーに短納期の部品加工も得意としている。また、生産業務に関する改善策の提案なども行うことで、お客様に部品を提供するだけでなく、頼れるパートナーとして、価値のある提案を続けている。

代表者:代表取締役社長 長澤 一雄
創立:2013年4月1日
従業員数:100名
事業内容:半導体露光装置、液晶デバイス露光装置、光学機器 等 精密機械部品の機械加工、表面処理、組立加工
所在地:〒992-0772 山形県西置賜郡白鷹町横田尻1367
TEL:0238-85-5811(代表)
FAX:0238-85-0672
URL: https://www.nikuni-shirataka.co.jp/

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