夢の繊維と言われている人工の「クモの糸」に関する研究・開発を手掛けるSpiber株式会社は鶴岡市に拠点を構える企業。世界初の合成繊維「クモの糸」の量産化に成功。そんな企業のなかで広報に関する業務、労務管理、技術研究・開発に携わるお三人にお話しをうかがいました。

 

研究にかける熱い思いに感銘、そして新しいことへのチャレンジ。

 ──入社のきっかけを教えてください。

(上原)公務員を経て、大学職員(慶応義塾大学先端生命科学研究所)にて事務秘書や渉外業務に就いていました。当時まだ学生として研究開発を行っていた現代表や、他のメンバー達の開発にかける熱い思いや、姿を間近に目にし、その姿に感銘を受け自分もこの研究開発に携わり、サポートしたいと思いました。

(石川)地元に戻りTV等で紹介されているこの会社の事や、代表の研究にかける熱い思いに感銘を受け自分もこの仕事に携わりたいと思い入社しました。

(佐藤)前職(生産技術の仕事)を早期退職し、次の仕事を探している時にこの会社のことを知りました。新しい事への挑戦、ものづくりの考えに自分も挑戦したいと思い入社しました。

 

   
社内・外に関するPR活動やイベント企画を行っている上原さん。   労務という経験のない業務に取り組んでいる石川さん。   エンジニアチームに所属し装置などを内製で行う佐藤さん。

 

 ──現在、どんな仕事をしていますか。

(上原)社外に向けたPR活動、イベントの企画・提案、メディアの対応などの広報の仕事になります。

(石川)労務管理業務を担当しています。給与関係、社会保険・健康保険、雇用保険に関する業務を行っています。

(佐藤)装置を開発するエンジニアチームに所属しています。主に、人工合成クモ糸を造る装置や、実験室で使われる装置の改造・開発設計をしています。外注で依頼の出来ないことも多いので、図面を書く設計までを内製で行っています。

※人工糸を扱う企業自体が少ないため、人工糸を造る機械も多くはない。そのため、スパイバーでは装置自体をゼロから製作しています。

 

 ──仕事で難しさを感じる時はありますか。

(上原)広報の業務というと『社会』と一番近くにいます。社会の人々に私達の取り組みを理解してもらい、ファンになってもらえるように『社会』へ正確に伝えているが、『社会』へ出たときに誤解の無い様に広げていくことが難しい。

(石川)人事関係の仕事の経験はありましたが、労務という今まで経験のない業務だったので分からないことも多く、分からないことがあった時には人に頼らず、まずは自分で調べたりしています。この会社にとって一番良い方法は何かを考える時に難しさを感じます。

(佐藤)まだ世の中に無い装置や工程などを『ゼロ』から造り上げる業務なので、品質を保持しながら装置を造っていくことが難しい。もちろん一人ではできないので、チームのメンバーと密に打合せを行いながらチームで一つの装置を造っていきますが、製作工程の中で壁にぶつかった時には、経験豊富なマネージャーに相談してクリアしています。

 

 

それは『勇気』と『チームビルディング』。

──仕事をする上で大切にしていることは。

(上原)私が大切にしていることは『勇気』です。『勇気』が全てを解決していると思っています。間違っていることを言う『勇気』、当たり前になっていることを変えていく『勇気』、新しいことへ一歩踏み出す『勇気』。『勇気』と『感謝』の気持ちを持って仕事に取り組んでいます。

(石川)管理部門での業務な訳ですが、他の研究部門だったり他の部署の人達が集中して研究・開発に取り組んでもらえるように、どうすれば効率よく仕事ができるかを考えています。研究・開発がすすむことで世の中の人達のためになればと思います。


(佐藤)技術的な面から言うと、品質の保持と作業性、そして装置を使用する方の安全を一番に考えて設計をしています。仕事を進めていく中では、チームワークを大切にしています。

 

──今後の目標を教えてください。

(上原)『チームビルディング』です。これまでは少数の社員が会社に携わってきました。現在は社員も増えました。例えば、1人でできなかったことが5人集まることで100倍の『力』を出せると思っています。一つ一つのチーム力をアップする組織づくりが目標です。


(石川)今後は、新しい事にもっと『挑戦』していきたいと思っています。労務担当以外の他の業務に関しても携わっていきたいと考えています。

(佐藤)量産に向け品質の良い製品を市場に提供したいので、そのための良質の装置を造っていく、これが目標です。

──ものづくり産業を目指す女性にメッセージをお願いします。

(上原)『0』から『1』にすることは大変だと思います。一緒に世の中に最高のものを出していきましょう。

(石川)最初に始めることには不安なことが沢山あると思いますが、何事も踏み出さなければ始まらないと思うので、チャレンジしてみて下さい。

(佐藤)女性が技術の関係で仕事をするとき辛いこともあると思います。最近は、若い女性の技術者の方も増えてきていると思っています。女性ならではの『目線』で、男性では気が付かない様な視点で会社の力になってほしいと思います。

 


課題が見つかった時、チーム全員で課題に取り組んでいます
 
実験室では日々良質の製品を世に出すための研究・開発が行われている

 

プロフィール

上原 知子(うえはら ともこ)さん
鶴岡市出身。2011年入社。大学を卒業後に地元に戻る。公務員と大学職員を経て現在の会社に入社、事業開発部門の広報に関する業務で会社の顔として活動している。

石川 美咲(いしかわ みさき)さん
酒田市出身。2015年入社。高校卒業後地元を離れ一時関東の企業に就職。その後地元に戻り現在の会社に入社。経営管理部門で労務関係の業務を行っている。

佐藤 僚子(さとう りょうこ)さん
山形市出身。2014年入社。大学卒業後に山形の企業に入社。早期退職後、現在の会社に入社。研究開発部門で、製造装置の開発を行っている。

 

(2017/3/16取材)
     
 

Spiber株式会社(鶴岡市)
代表者:代表取締役 関山 和秀
所在地:山形県鶴岡市覚岸寺字水上234番地1
TEL:0235-25-3907
URL:https://www.spiber.jp/
産業分類:製造業
事業内容:次世代バイオ素材開発、DNAタグ技術開発、DNA情報記録技術開発に係る事業

 

社員数
162人(平成29年3月31日時点)

  正社員(人) 正社員以外(人) 合計
男性 119   0  119
女性 43   0  43

(社員に占める女性の割合)
 
 

企業からのメッセージ
人は、それぞれにユニークな存在であり、力を発揮するための最適な方法・環境が異なるため、多様性が認められていることは、各人の価値を最大化するために不可欠な要素です。そのためには、極めて柔軟な組織形態を維持しつつ、チームワークを高めなければなりません。自由度の高い組織形態・ワークスタイルを示す一例として、全社員に開かれた経営会議、所属チームに縛られず、他のチーム(時には他の組織へも)の仕事への参画の奨励などがあげられます。
ポジティブでオープンな雰囲気。新しいこと・楽しいことに積極的であること。挑戦を奨励し、寛容(Nice try!)の精神で受けとめること。互いの価値を認めあうこと。これらを守ろうとする強い心を一人ひとりが持つことで「文化」が育まれると考えています。