株式会社ニシカワ(三川町) 三川工場製造部 機械・仕上係 小林果菜さん
画像処理測定器や顕微鏡といった光学機器や精密機器の製造を行っている株式会社ニシカワ。本社は埼玉にありますが、製造の中心は山形県三川町と鶴岡市にある2つの工場です。小林さんは三川工場の機械・仕上係で機械加工を担当、男性社員しかいない職場で、たった一人の女性社員として奮闘しています。
男性中心の製造現場で男性に負けない技術を習得。今では、新人教育をまかされる存在に。

 

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工業系のものづくりにあこがれて、飛び込んだ製造現場の世界

──入社のきっかけを教えてください。

もともとものづくりが好きで工業高校に入ったのですが、高校2年の時に、インターンシップでニシカワを訪れたことがきっかけでした。進路相談の時に、先生から「(ニシカワから)声がかかっているけど、どうだ?」と言われて。工業系の会社に就職したい思いがずっとありましたので、迷いなく決めました。必要とされているのが嬉しかったですね。

──現在どんな仕事をされていますか。

製造部の機械・仕上係に所属し、マシニングセンターを使って機械部品の精密加工をしています。最初はNC旋盤加工の部署に半年ぐらい、その後カメラ組立部門に3ヵ月。今の職場になって7年ぐらい経ちました。私は主に顕微鏡などの測定器に使われる部品の加工を担当しています。職場で女性社員は私だけですが、他の部署に仲良くしてくれる女の先輩たちがいますので、一緒に遊んだり、愚痴を聞いてもらったりしています(笑)。

 

機械操作もわからない新人時代。男性先輩とのギャップに悩む

──男性しかいない職場で、難しさもあったと思いますが。

男の人と女の人で考え方が違うなと思うことはありました。最初に配属されたNC旋盤加工では、女性の先輩がいて、丁寧に教えてもらえたのですが、今の職場では、最初あまり相手にされなかった(笑)。「これをやってね」と渡されて終わり。仕事もよくわからない中で、どうしたら良いのかなと思いましたね。あまり熱心に指導してもらえなかった(笑)。

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新人の特徴や個性にあわせて指導の仕方を工夫しているとのこと

──その後、どのように変わっていきましたか。

1年ぐらい経った時、仕事を熱心に教えてくれるベテランの男性が現れたんです。機械操作をゼロから教えてくれて、育てていただきました。そのおかげで仕事がだんだん出来るようになり、ここ数年は新入社員の教育係を任されています。機械操作の基礎を1~2年の間で教えて、育った頃にまた次の新人をゼロから教えなくてはいけないのは大変ですが、私も育ててもらった訳ですから。後輩が、他の機械でがんばっている姿を見ると教えてよかったなと思います。

 

男性顔負けの存在感で、教育係としても活躍

──上司から見た、小林さんはどんな部下ですか?

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「彼女は、技術の発展に大きく貢献してくれた」と話す丸藤真彦係長

(丸藤係長)最初は、親身になってくれる女性先輩もいない中で、やっていけるかどうか心配していました。男性社員も、どう接したらいいかわからず戸惑いがあったようです。女の子だし、嫁入り前だから顔にケガしたらどうしよう、とか。
今は男性顔負けで仕事をこなし、第一線で活躍しています。教育係としても重要な役割を果たしていて、本当に面倒見が良く、新入社員にさみしい思いをさせません。明るくて、根性もある。運動部出身ということもあるのか、上下関係がしっかりしていて、厳しさも持っています。だから新入社員がついてくるんでしょうね。
我々の職場では、治工具を自分で設計して加工し、プログラムも自分で作りますが、彼女は女性ならではのやわらかい発想で、斬新な設計やプログラムを考えます。男性社員も参考にするほどです。女性の考えや発想がこの職場にも必要だと感じました。彼女はそれに気づかせてくれたんです。

(富樫工場長)当社には、「改善提案制度」というものがあり、全社員毎月1件は提案しなくてはなりません。小林さんはとても前向きで、提案件数もずば抜けて多い。経営計画発表会で年間の優れた提案を表彰しますが、彼女は社長表彰を2回も受けています。この制度が社員に根付いたのは彼女の影響が大きかったと思っています。技能検定も積極的に受けているし、加工現場の研修も自ら名乗りを上げて2週間、埼玉まで行きました。これを機会に彼女の後継がどんどん出てくることを期待します。女性が入ると職場の雰囲気もガラッと変わりますからね。

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「男性社員の多い職場ですが、決して女性に門を閉ざしているわけではない」と富樫賢治工場長

技能検定1級の取得を目指し、ひたすら努力の日々

──仕事をする上で大事にしていることは?

職場に女性は自分一人しかいないので、男性に負けないようにとは常に思っています。力ではどうしても負けますが、技術では負けないよう技能検定の取得に励んでいます。今、機械加工(マシニングセンタ作業)2級を持っているので、1級を取得できるようにがんばっている最中です。あと、今職場がけっこう忙しいので、他の機械の操作も幅広くできるようになりたいと思います。

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女性ならではの細やかさで、主に小物部品の加工をまかされている小林さん
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加工のプログラミングや治具の設計もこなす

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三川工場で生産される製品の例(左が測定顕微鏡、右が万能投影機)

──ものづくり産業を目指す女性にメッセージをお願いします。

ものづくり産業は、男性中心の職場だと思いますが、女性の目線で見ると違った見方ができて、細かいところで気づくところもまた違うと思います。この業界に女性がもっと増えてくれたら嬉しいですね。

工業系の仕事に興味があったという小林さん。男性中心の製造現場で、慣れない機械操作に戸惑いや不安があったものの、持ち前の明るさと根性で見事に克服。今では後輩からも上司からも一目おかれる存在となりました。女性ながら男顔負けの努力をする小林さんの姿は、会社にもいい影響を与えているようです。

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プロフィール

小林 果菜(こばやし かな)さん
酒田市出身。山形県立酒田工業高等学校卒業。2006年株式会社ニシカワに入社。NC旋盤加工、カメラ組立の部署を経て、機械・仕上係に所属。現在は、新入社員の技術指導をまかされ、教育係としても活躍。趣味はソフトボールで、市の社会人チームに所属している。

 

 (2014/11/28取材)
   株式会社ニシカワ
 

株式会社ニシカワ
代表者:代表取締役 西川 俊行
所在地:山形県三川町大字押切新田字対馬365-1
TEL:0235-66-3681
URL:http://www.nisikawa.co.jp/
産業分類:製造業(光学機器・精密機器)
事業内容:精密機器、半導体機器、光学機器の製造、カメラ上蓋部組立

インターンシップ、企業見学の受入:可

 

社員数
146人

 正社員(人)正社員以外(人)合計
男性7724101
女性311445

(社員に占める女性の割合)
男女比円グラフ 
 

企業からのメッセージ
私たちは、昭和25年(1950年)、大手カメラメーカーの下請けとして創業しました。現在、県内に三川工場と鶴岡工場の2つの工場を持ち、光学測定器などの精密機器から、トレーラーに1つしか載らない大物鋳造部品まで一貫生産し、お客様のニーズにお応えしています。女性社員も特にカメラ部門で活躍しております。結婚や出産を機に退職する社員はおらず、育休・産休の後に復帰し、通常勤務に戻っています。作業着が油で汚れたり、重量物を扱ったりする部署は男性が多いですが、女性でも興味のある方や挑戦してみたいという方は大歓迎です。